プロローグ〜赤道から北極圏へ

 お久しぶりです。今年もこの季節がやってまいりました。今回は同志のリクエストで、ジャカルタのジャボタベック鉄道、私のリクエストで、【正真正銘の世界最北の駅】であるロシアのムルマンスク駅を訪れるべく計画をしました。

 ジャボタベック鉄道は2011年に訪れているのですが、その後さらに日本の【お古】がジャカルタで活躍しているようなので、その様子を見に行こうという同志のリクエストがありました。ついでにと、地図を眺めていると、ジャカルタのあるジャワ島の隣のカリマンタン島にある【ポンティアナック】という街が赤道の通る街と知り、無性に行きたくなってしまいました。他人のホームページにも赤道をまたいで反復横跳びをしてきたなんて紹介されていたので、私もそれをやりたくなってきたのです。

 ムルマンスクについては、少し説明が要ります。まず2005年に北欧を訪れた際に、ノルウェーのナルヴィク駅が世界最北の駅という当時の判断でで降り立った経緯があります。当時のムルマンスクは、軍港のある街ということで、自由に訪れることが出来ない街と認識していたので、自由に行ける街であるナルヴィクを我々は世界最北の駅としておりました。

 しかし、月日も移り変わりムルマンスクも自由に訪れることが出来る街になったことを知り、満を持して訪れる計画をしました。ここに【赤道から北極圏へ】という旅がスタートするのであります。


9/30、10/1〜まずは赤道へ 

 旅立ちは羽田発22:50SQ635便であります。21:00に羽田に到着して、カウンタースタッフに同志との並びの席をリクエストしたのですが、あいにく叶わず、窓席の前後となってしまいました。深夜便であるので、ほぼ寝るだけなのですが、一緒にいて会話が成り立たないのはさすがにつまらないものです。私のとなりに座った、シンガポール人の方は、日本びいきの方でそれなりに会話は成立しましたが、いわゆる【世間話】程度ですのでアルコールもいささか遠慮気味の摂取となりました。


左から、羽田空港ラウンジ、SQ635便ビジネスクラス機内食、光の加減であやしい私、チャンギ空港シルバークリスラウンジ。


 20
分ほど早着の4:40、シンガポール/チャンギ空港に到着しました。乗り継ぎの6:20発ジャカルタ行きSQ950便の方が、短距離区間なのにいい座席でした。ジャカルタからの折り返し便が恐らく長距離便になるのでしょう。空腹ではありませんでしたが、頂けるものはしっかり頂き、ジャカルタに定刻に到着しました。


左から、SQ950便ビジネスクラスシート、ご覧の通りの同志、SQ950便ビジネスクラス機内食。


 赤道の街ポンティアナックへはジャカルタからガルーダ航空(GA)が就航しており、簡単に行くことが出来ますが、スターアライアンスメンバーではないため、手持ちのマイルでは予約出来なかったのです。ところが、最近になって提携航空会社として予約可能となったようであります。飛行時間も少ないので安いと判断し、今回は自腹で購入と相成りました。

 10/217:00発の便でジャカルタを離れるので、それまでに必要な荷物を小分けにして、残りのスーツケースは空港の荷物預かり所に預けました。ディパックひとつの軽装となり10:15、GA0512便はポンティアナックに向けて出発しました。昼食のつもりで、機内食もしっかり頂きました。11:50、ポンティアナック空港着。


左から、GA0512便エコノミークラス機内食、しゃれた塗装ですね、こちらはLCCのバタビア航空。


 場所を表す【南緯】が08分となっております。空港の位置も限りなく赤道に近いようであります。空港から赤道記念碑までは、暑い街で手間をかけたくなかったので、クーラーの利いたタクシーを使いました。値段は相手と交渉なのですが、値切る気力もなかったので、相手の言い値の往復40万ルピアでお願いしました。私の見積もりでは50万だったので、まあいいでしょう。距離も往復て50数キロあるんですしね。

 赤道の街を涼しいタクシーは40分弱走行して、目的地の赤道記念館(現地語で【Tugu Khatulistiwa】)に到着しました。この街の観光の目玉なのか観光客もぼちぼち来ておりました。建物の入り口に記帳台があるので氏名を記入して中に入ります。あっ、ちなみにタダです。

 ホールの中程にそれらしい印が引いてあるので、これが赤道なんだなと普通は思いますよね?ところが出国前にあれこれ調べると、この線は正しい赤道の場所ではないらしいのです・・・。正確な赤道の場所ですが、建物を出て、カプアス川の方向に歩いていくと、小さい屋外アリーナがあります。その中央部に白い線で表示されています。諸先輩の旅行記によると、かつては何もない敷地の一角だった様ですが整備が進んだようであります。

 赤い線で表示すればいいのにと考えたのは私だけでしょうか?もっとも赤道の英訳は【Equator】で、レッドロードでもレッドラインでもありませんからね。待たせておいたタクシーに再び乗り込み、空港へ戻りました。観光終了です。


左から、南緯に注目、赤道をまたぎ反復横飛び、コチラが本物の赤道、記念館の建物。

 17:45発のジャカルタ行きまでは時間がありましたが、ラウンジのお陰で涼しく過ごさせてもらいました。もっともここはイスラムのお国でありまして、ラウンジにアルコールはありません。小分けにして、持参したウィスキー をコーラで割ってチビリとしていました。17:45にジャカルタに戻るべく、ポンティアナックを離陸しました。往路と同じ機内食じゃかなわないなと思いましたが、幸い別の軽食で美味しかったです。19:15、ジャカルタ定刻に到着しました。


左から、実は暑いです、ポンティアナック空港のラウンジで涼みます。GA0515便エコノミークラス機内食


 明日のジャボタベック鉄道巡りと、空港までの渋滞を避けるために、宿は【アリウムエアポートホテル】にしました。無料のシャトルバスもあるのですが、送迎時刻が決まっており、この時刻ではかなり待たされるので、タクシーを使うことにします。地球〜おすすめの【ブルーバードタクシー】の乗り場の列に並びました。信頼の証なのか、他のタクシー会社の行列の数倍あり、20分ほど待たされてようやく乗ることができました。メーター制なので安心です。何ヵ所か名物の渋滞に巻き込まれましたがジャカルタの中心部の道は通らないので、35分ほどでホテルに到着しました。

 きれいなホテルです。同志がビールを飲みたいと言います。私も異論はないので、まず冷蔵庫を開けようとしましたが、カギがかかっています。中は見えるのですが、あるのは水とソフトドリンクのみです。ルームサービスのメニューは・・・.

 やはりビバレッジの項目にアルコールはありません。こうなったら下のレストランが最終チェックポイントなんだなと行ってみました。カクテルみたいなきれいな瓶が並んでいたので、やった!とばかりに「Beer?」と訪ねましたが、「No・・・」「Alcohol?」「No・・・」う〜ん、イスラムは厳しいです。ダメもとで外出して、近所のコンビニを覗きましたが答えは一緒でありました。失意の同志に持参のウィスキーをお裾分けしました。


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