11/13 ネバダの荒野

 前日、ソルトレークを出発して今朝までの間に時間帯が変わります。寝る直前に時計を1時間遅らせて就寝しました。

 列車のショックで目が覚め、時計に目をやると6:30でした。おっ、よく眠れたようです。駅は・・・【Elko.NV】という所です。ネバダ州のエルコか・・・。時刻表に目をやると・・・、うんっ??「遅れているやんけ・・・。」
 Elko発の定刻は3:21です。「ついに始まった・・・。」って感じですね。
 11/14に帰国の途に着くのですが、サンフランシスコ空港発は10:50発です。その前に出来ることなら、サンフランシスコ名物の【ケーブルカー】に乗ってみたく、計画の段階で時刻や料金を調べておいてあるのです。それによりますと、ケーブルカーに乗るためには、今夜泊まるホテルの最寄りの駅を7:01に出るBart(サンフランシスコの近郊を走る高速鉄道の略称です)に乗車せねばなりません。6:45にホテルを出るとすると、今夜のチェックインは遅くとも22:00までにはしたいですよね。「カリフォルニアゼファー」号が多少遅れて、補償の夕食をゴチになって21:00にエメリービル着ってのが理想なのですが・・・。

 列車はネバダ州の荒野を走行しています。まさに荒野!!畑でもなく、牧場でもなく背丈の低い草木が累々と生い茂る・・・そんな大地です。開拓をしたくても、土壌が悪いのかもしれません。こんな光景が起床してから3時間たった今でも続いています。
 朝食は、ヨーグルトが食べたかったので、シリアルにしました。メニューにヨーグルトが付いています。ライスクリスピーってのが、甘くないよって教えてもらったのでそれにしました。
 9:50、Winnemucca着。遅れが3時間を越えました。アムトラックはアメリカ東部の一部を除いて、貨物の線路を借りて旅客輸送していると聞いたことがあります。どうやら貨物列車の影響をモロに受けてしまっているようです。今日が月曜日ってのも関係あるのでしょうか・・・?なまった体をほぐして列車に乗り込みました。Winnemucca10:03発。ワオッ!3:50延!

 次の停車駅はSparks、続いて3マイルでRinoです。時刻表と電卓でチャッチャと計算してみると、WinnemuccaからSparksまでは186マイルです。Winnemucca6:13→Sparks8:55ですから所要時間は2:42です。なんとこの区間を110km/h走行でダイヤが組まれています。チョットきついんでないの??現在の時速・・・体感で約60km/hです。ずーっとこんな調子でここ約2時間は走っております。さすがにチョット不安になってきました。エメリービルにはいったい何時に着けるのでしょうか・・・。

 12:30、昼食をとりにいきました。本来ならこの昼食までが、料金に含まれている食事です。食べ覚えのある、しかもおいしかったアンガス牛のハンバーガーにしました。うんっ、この味です。ハンバーガーは相変わらずおいしかったです。ようやくネバダの荒野の端っこに来ました。
 
 14:20Reno着。ギャンブルで有名な街です。駅は半地下方式でまだ真新しいです。最近改修されたのでしょう・・・。
 環境にも力を入れているようで、「タバコの吸殻を捨てると罰金だぞ。」って同志に忠告していました。他の乗客が吸殻を足元に捨てるのを見て、セインさんが注意しています。同志がすかさず携帯灰皿を差し出し、その中に収めさせました。おっ、同志ポイントアップ!!Reno14:44発。遅れが5:30になりました。

 列車に乗っている以上はどうすることも出来ないので、開き直って昼寝します。ZZZ・・・。15:45、Truckee出発のショックで目が覚めました。5:30遅れのままです。列車はカリフォルニア州に入りました。最後の山越え、シェラネバダ山脈に入ったようです。再びあたりの景色が雪景色になりました。下界のエメリービルは温暖なカリフォルニアのイメージなのでしょうが、この州って広いんですね・・・。レイクタホとかスコーバレーって確かカリフォルニア州で、しかも冬季オリンピックが開催された地ではなかったでしたっけ??

 あっ、16:49になりました。時刻表では、エメリービル到着の時刻です。現在はまだ山越え中・・・。時速は約50km/hです。峠なので、登りも下りも慎重な運転が続きます。回復は難しいですね・・・。

 17:00、ついに食堂車の延長営業の車内アナが流れました。これは折り込み済みで、「うっしっし・・・」なのですが、アムトラックの好意の営業なので、あまり遅く行くと閉められかねないので18:00になったら行くことにしました。「それまで寝るから起こして。」だとさ、こいつめ・・・。
 17:30にファイナルコールがありました。食いっぱぐれたくないので、同志をたたき起こし、カリフォルニアゼファー号最後のディナーとなりました。私がまだ食べていないメニューで、前日に同志が食べた「豚の角煮」っぽいやつが気になっていたのでオーダーしたのですが、品切れとの事でした・・・。残念!最後はローストチキンと赤ワインで締めとしました。この旅行最後の「ディナー」が終わりました。

 チェックインが明らかに遅れそうなので、ケーブルカーはやめるべ・・・。ってことになりました。これだけ「乗り鉄」したのですからカンベンして下さい・・・。サクラメント19:35着。シアトル方面へと延びる線との分岐駅で、ロザンゼルス⇔シアトルを走行する、【コーストスターライト】号もサクラメント⇔エメリービル間は同じ線路を走ります。
 サクラメント到着前に、シアトル方面はお乗換えみたいな放送をしていたのですが、乗換客っているのでしょうか?接続のために、ここでも更に停車します。サクラメント19:58発、5:43遅れです・・・。

 あと2駅停車して3駅目が終着、エメリービルです。終着までの3駅間はいかにも帳尻あわせのダイヤ設定で、ひと駅間の所要時分に結構余裕を持たせてありました。2つ目のマルティネス駅から終着エメリービルまでは、距離27マイルに対して1:21もとってあります。 
 マルティネス21:10発。スムーズに走行して、21:49、キリのいい5時間遅れでエメリービルに着いて下さいな。

 ダメでした・・・。たいした回復もなく22:05、なんと5:16遅れでエメリービルに無事(?)に到着しました。出発前に遅れの統計を取っていたことは以前に述べたと思いますが、5時間以上遅れたってのはそうそうありませんでしたよ。この半年間でもワースト10にランクされちゃう遅れ時分でした。

 この駅からはアムトラックのバスが、サンフランシスコ方面とオークランド方面と2系統運行しております。列車の遅れを考慮して今夜はエメリービルに近いオークランドエリアのホテルに予約をしておいたのです。
 バスは我々のほかに1名、乗客は3名です。ダメもとでホテルの地図をバスの運ちゃんに見せて、「今日ここに泊まるのですが・・・。」と尋ねてみました。そうです、そばを通るなら「降ろしてチョ。」ってのを暗に言ってみたのです。作戦成功!運ちゃん機転を利かしてくれました。ホテルのまん前で降ろしてくれちゃいました。「Thank you very much!」こういうサービスにはもちろんチップですよね。実は他の1名の乗客も我々と同じホテルでした・・・。

 今夜の宿【ジャックロンドンイン】は1室9,600円という極めて日本的な価格なのですが、部屋も広々しており申し分ありません。ミニバーみたいなスカシたシステムではなく、3階にソフトドリンクの自動販売機とタダの氷が置いてあり、私の日本の定宿である【東○イン】みたいですこぶる使い勝手がよかったです。
 
 使い勝手が良いって事は、コチラにも定宿としている方がいるはずですよね・・・。
「Hey,guys.」って呼びかけに振り返りますと、あれ、アムトラックの食堂の給仕さんではあーりませんか!更に、我々のカーアテンダントだったセインさんもチェックインの手続きをしております。後ろから「Hey,セイン!」って呼んでみたら、こちらを見てびっくらこいておりました。アムトラックのクルーの定宿だったんですね・・・。

本日の買い物

朝食時のチップ〜2人で2ドル、昼食時にビール〜2本で8ドル、昼食時のチップ〜2人で4ドル、夕食時にビール2本とワインハーフボトル1本〜16ドル、夕食時のチップ〜2人で6ドル、セインさんにチップ〜2人で10ドル、アムトラのバスの運ちゃんにチップ〜2人で3ドル、ホテル自販機でコーラ〜2本で3ドル、部屋にチップ〜2人で2ドル

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