11/10 物々交換!

 7:50、Foleyet駅で目覚めました。うまく読めない駅はそのまま英語表記にします。正規の停車駅ではなく、リクエストで乗降を行う駅です。8:19発なので、貨物列車の交換もあわせて行うようです。シャワーを浴びてスッキリしましたが、風邪はまだ引きずっています。

 朝食のセカンドグループを呼ぶコールがあったので同志を起こしましたが、ちっとも起きてくれません。この御仁、昨日から食事のとき以外ほとんど寝て過ごしています。「寝台車なんだから寝てていいんだよ。」だとさ・・・。もしかしたら彼が一番上手な時間の過ごし方をしているのかもしれませんね。
 私も実はあまりお腹はすいていなかったので、同志が起きてこなければこのままパスでもいいかなあって思っていたのです。おいしいものは空腹で食べたほうがやっぱり、「おいしい」ですものね。でも同志君、しっかり起きてきました。食に対する嗅覚は結構研ぎ澄まされているようです。8:19Foleyet駅を定刻に出発しました。トロントまであと683kmです。

 トーストとマイ醤油の目玉焼きは飽きてはきていましたが、まだまだおいしく食べることが出来ました。食後のコーヒーを飲んでいると、給仕の方のネクタイピンがふと目に止まりました。そこには【VIA】のロゴが・・・。う〜ん、欲しくなってまいりました。
 給仕さんに「そのネクタイピンが欲しいのです。どこで売っていますか?」と尋ねてみました。彼、チョット考えた後にピンをとり、テーブルの上に置くではありませんか!!私「Realy?」、給仕さん「Yes,ノープロブレム!」、うわぁ、やった!もらっちゃいました!感激ッス!!誤解の無いように申し上げておきますが、あくまでも売っているのなら買うつもりだったのです。VIAのウェブサイトの通販でも見たことの無いものでした。社員のみに貸与されているものなのかもしれません。旅の記念に後生大切に使わせていただきます。
 多めにチップを置き、部屋に戻りハミガキを済ませました。

 同志がまた寝ちまったので、今はドームカーに1人やってきています。しばらくはここで過ごし、気付いたことを書いていこうと思います。ドームカーとはこの列車の最後尾に連結されている展望車です。車両の中ほどが漢字の【凸】な形の車両です。階段を上がり、凸の上の階に上がると、天井も含めて前後左右総ガラス張りの座席になっており、眺望抜群です。2人がけの椅子が通路を挟んで7つ並んでいます。
  時間を持て余した方が10名ほどすでに座っております。1階部分の今私が座っている場所も捨てたモンじゃありません。最後部になりますから左右と後ろはさえぎるものはありません。小田急ロマンスカーの後ろの展望車に乗っているようなモンです。コーヒー、紅茶、オレンジジュースと小さめのケーキが置いてあり、自由にとることができます。ただしドームカーは寝台利用の乗客しか利用できませんのであしからず。1階部分の後方エリアには1人がけのイスが12個あり今は6人います。新聞を読むおじいさん、クロスワードパズルをやっているカップル、読書の御婦人、これを書いている私、などなどです。


 12:30、Capreol着。順調です。本日のスモークタイムはここが最初で最後です。何にも無い駅でしたが、皆さん思い思いに散歩したり、タバコを吸ったりしていました。12:55定発です。

 昼食のセカンドコールがあったので食堂に行きました。本日の夕食がVIA最後のディナーなので昼食を抜いて空腹にして夕食に挑もうと思ったのですが、結局は昼を軽めにしておけばいいじゃんってことになりました。実は御礼をしに昼食は行かねばならなかったのです。
 私の妻の発案で、家では使わなくなった扇子をひとつ持ってきていたのです。旅の最中で誰かにって思っていたのですが、もう決まりですよね・・・。ちょうど彼が注文をとりに来たので、「日本の工芸品です。夏はパタパタ、冬はインテリアとしてどうぞ。」って差し上げました。とても喜ばれましたのでよかったです。

 カレーの入った春巻きとポテトサラダでした。揚げ物は夜に残りかねないと、慎重に1本残しました。夜を考えなければペロリなほど、ジューシーでおいしかったです。もったいないなあ・・・。
 本日は20:00着のトロントで全ての営業を終えて下車する都合もあるのでしょう・・・。夕刻になると食堂主任が夕食のオーダーをわざわざ我々の寝台まで取りに来ました。そして「営業は17:30〜18:30までなのでヨロシク。」って言われました。うまくハラがこなれますように・・・。最後はもちろん牛ステーキをオーダーしました。楽しみです・・・。

 部屋に戻り、昼寝を少々、ふと目覚めれば15:30です。陽はもう20度くらいの高さまで傾いています。相変わらず湖と森の単調な景色の連続ですが、しっかり目に焼き付けておきましょう。そろそろカーアテンダントが寝台を片付けにくると思います。ベッドも散らかっちゃってるんでボチボチ始めましょう。

 17:30になり、最後のディナーのコールがありました。出されました牛ステーキは日本語メニューに「カナダ最高級の・・・」などと紹介されておりましたシロモノです。よほど自信があるのでしょう、レアで出てきました。厚さは約1.5cm、大きさはコロッケ位の大きさでしかも2枚あります。私がこんなぜいたくなものを日本国内で食べる事はまず無いでしょう・・・。気合を入れてかぶりつきました。味はもちろん【エクセレント】!。赤ワインと共にあっという間に完食でした。昼を軽めにしておいて良かったです。

 部屋に戻って最後の支度をしていますと、「トロントは1:00の遅れとなり、21:00到着です。」とのアナウンスが・・・。1時間程度の遅れなら普通は全然OKなのですが、ここまで走行も順調、食事も大満足、さあ、後は降りるだけって時のこの仕打ちだったののでさすがにズッコケましたが、少し取り戻して20:30にトロントに到着しました。2002年のシベリア鉄道に次ぐ長距離列車の旅が完結しました。

 明日の7:00発シカゴ行きエアカナダ501便に乗るために、空港近接のホテルのほうが都合よかろうと、【ヒルトン トロントAP】をネットで予約しました。名前は立派なホテルですが
ネットのバーゲン価格だったので、1室12,550円で済みました。
 トロントユニオン駅からは、2つの地下鉄を乗り継ぎ、終点のキップリング駅からは空港行きのバスに乗りました。これらの乗り物も【TTC】という公共の乗り物なので、1枚のキップでユニオン駅から空港まで通しで乗車でき、便利でリーズナブルです。
 第1ターミナルで降り、ホテル送迎バスに乗り換え、無事に今宵の宿にたどり着きました。現在22:00です。明日の便を告げると「5:00の送迎バスに乗りなさい。」って言われました。4:00起床ですね・・・。せっかくのヒルトンなのに高級感を味わうヒマもありませんでした。



本日の買い物

朝食時のチップ〜2人で5ドル、昼食時のビール〜2本で9.5ドル、昼食時のチップ〜2人で5ドル、夕食時にビール2本とグラスワイン1杯〜14.45ドル、夕食時のチップ〜2人で10ドル、カーアテンダントにチップ〜2人で10ドル、ユニオン駅から空港までの地下鉄&バス〜2人で5.5ドル、リップクリーム1個〜5.65ドル、部屋にチップ〜3.26ドル

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