7/9 トップ・オブ・ヨーロッパ
ダブルベッドだったので、お互いの領域を侵さぬよう枕と枕の間に私のデイパックを置いておいたので【間違い】はなかったです。しかもよく眠れました。そろそろ疲れてきたかも・・・。
共用のシャワーも使い勝手良かったですよ。朝食付きでしたが、時間が早いため残念ですが辞退しました。
昨日の実踏の結果から、余裕を持って5:30にチェックアウトすればと準備しました。階下のフロントへ赴いたところ、明かりはなくひっそりしています。置いてある電話にいくつか書いてある番号にかけてみました。最初のは番号はすぐ横のファクスのアラームがなったのでオフ。
次にかけた番号は、フロント奥の部屋につながったようでしきりに鳴っているのですが、どなたも出てくれません。いや〜な予感がしてきました・・・。そうです、我々は翌日の出発が早いにもかかわらず、前日に精算を済ませておかなかってのです・・・。
さらに別の番号にかけたところ、ようやく、でも明らかに眠そうな女性が出ました。
バツ悪そうに、「チェックアウト、プリーズ・・・。」 「代金払ってなかったの?」 「まだです・・・。」 「部屋番号は?」 「14番です。」 「・・・・・フゥーッ、OK、10分待ちなさい。」 「ハイ、すみません・・・。」
ですがっ!こっちも気が気でありません。6:00の列車に乗るためには、ここを5:45には出ないとまずいです。5:40を過ぎましたが、宿の関係者はまだ現れません。電話の会話通じたのかな・・・?って思いはじめた頃、ようやく宿の方が「エコ」な自転車でキコキコやってまいりました。ご足労させてしまい、本当にすみませんでした。
カードでサクっと精算し東駅へ。あと10分しかありません。イチバチでスーツケースを転がし走ることにしました。最悪、グリンデルワルト経由の東駅6:04発狙いであります。こちらでもユングフラウヨッホへは同じ時刻の到着です。ただ昨日の実踏は手ぶらの結果であります。今は重たいスーツケースをゴンゴロしなければならず、勝手が違います。
とにかく走りました。散歩していた日本人観光客に「アラ大変ねぇ・・・、がんばってね!」なんて【哀れみ】のお言葉をいただきました。疲れては少し歩き、でもまた走りと同志とのスーツケースのデッドヒートです。正直苦しいッス!でも立ち止まる余裕はありません。
まさに心臓がのどから出そうになった頃、ようやく東駅の建物が見えてまいりました。
5:58、東駅ゴール!あわただしくコインロッカーに荷物をつめ込み、結果的には6:00のラウターブルンネン行きに乗ることが出来ました。昨日の実踏がこんな形ではありますが生きました!でも、こんな思いはもうこりごりです。もう少し、いやいや、もっと余裕を持った計画にしないと・・・。
ラウターブルンネンまでは約20分、平坦な道のりでした。乗換えでひと息ついて、ここからが本格的な登りになります。木々の間からこの先の高峰が見え隠れしますが、ま、あわてる事はありません。
余裕こいているのは、昨日の経験があるからです。動いている電車&木々の間からはロクな写真になりません。昨日はデジカメなのを幸い何度も取り直ししましたが、うまい写真は撮れませんでした。
そうです、森林限界を超えれば撮り放題なんです。やがて木々がとぎれ、雄大なユング峰が目の前に現れ、列車はクライネシャイデック駅に到着しました。
次に乗るユングフラウ鉄道は、そのほとんどがトンネルです。ユングフラウを拝むのには、この駅か、もしくは終点のユングフラウヨッホ駅しかありませんので、撮りっぱぐれのないように念のため、数枚収めておきました。
グリンデルワルト経由の列車も到着して、車内が一気に混んできました。平日の初電なのですが、さすがは観光立国のスイスの夏ですね。クライネシャイデックを7:35に出発しました。
雪崩よけの柵を過ぎると早くもトンネルに入りました。終点までずーっとトンネルかと思いきや、途中で5分停車する駅が2箇所あります。トンネルの岩盤をくりぬいたテラスみたいになった駅であります。窓が付いており外の様子を見ることが出来ます。
その外には・・・、なんと目の前にアイガー北壁が迫っておりました。ド迫力の光景です。イキな計らいですね。
8:27、列車はユングフラウヨッホ駅に到着しました。標高は3,454m、文字通りのトップオブヨーロッパの駅であります。スフィンクスという名の展望台の建物の中に駅をはじめ、カフェ、土産物屋があり、なんと日本の「赤ポスト」までありました。分かっていたなら1枚ハガキをしたためてくればよっかったです。
せっかくなので、外に出てみることにしました。そこは一面の銀世界!しかも強風が吹きさらしており、真冬に逆戻りになりました。そして目の前のアイガーには圧倒されます。なんであんな北壁に人は挑むのででしょうか?
空気が薄いのもよくわかりました。いつもよりゆっくり歩き、大きく息をして自分の肺に酸素を取り込みました。夏の寒さに堪えきれなくなったので、建物の中に戻り、暖を取りました。本日は、7/9です。夏です!土産のピンバッヂを購入して、下山の列車に乗り込みました。
下山する我々の列車から見る、登りの列車はいずれも大混雑で立ち客もいました。あらためて早起きの恩恵を感じた瞬間であります。クライネシャイデックからは、朝とは違うグリンデルワルト経由で下山しました。
言い遅れましたが、インターラーケン東⇔クライネシャイデック間は別ルートの線路が敷かれているのですが、どちらのルートをたどっても、ほぼ同じ時刻に登りのクライネシャイデック及び、下山のインターラーケン東にたどり着けます。
荒々しさを求めるならラウターブルンネン経由、牧歌的な景色を求めるならグリンデルワルト経由がお勧めですが、パスホルダーはせっかくなので両方乗ろうではありませんか!
やや遅れて12:04、インターラーケン東着。あと2本の列車を乗り継いだら、今回の【乗り鉄】の終着地であるチューリッヒ空港駅です。ややあわただしい乗り継ぎになりましたが、12:10発のルツェルン行きに乗り込みました。
ルツェルンまでのこの線も、スイス国鉄の路線ながら、なかなかの風光明媚なところを走行しております。様々な湖のほとりを走るのですが、見えてくる湖の色がその都度違うのが神秘的に感じました。
昼時でもあり、この列車には食堂車が付いていたので、行ってみました。2種類のカレー料理を頼み、同志と半分コにしました。片方はお米がジャポニカ米で、お味はまあまあでしたが、もう片方はバッサバサの明らかな外来種のお米で、こちらはトホホな内容でありました・・・。14:04、ルツェルン着。
最後のランナーはチューリッヒ空港行きIR2346列車であります。どうぞ無事に空港まで連れて行っておくんなまし。約1時間の乗車ですが、ふと着ているものがユングフラウの山頂で着ていたものと気付き、車両のトイレで半袖に着直しました。
ついでに荷物の整理をしているうちに列車は減速を始め、15:13、チューリッヒ空港駅に到着しました。モスクワから始まった今回の「乗り鉄」はここで終了となります。
空港のカウンターで荷物を預け、引換証を受け取りました。その際「チューリッヒ→北京と北京→成田の航空会社が違うので、北京までの預かりです。」って言われたと思います。←思いますってのは、このあとまたひとモメあったからです・・・。
本日の買い物〜インターラーケン東駅コインロッカー 5.00スイスフラン、2.食堂車でカレー&ビール 2人で56.80スイスフラン