11/9 ピサの斜塔

 6:30頃でしょうか・・・我々の部屋をノックする音で目覚めました。車掌さんがイタリアらしいカプチーノコーヒーとデニッシュの朝食を持ってきてくれました。ヨーロッパの個室寝台車ってこのサービスは結構当たり前なんでしょうか?他の部屋にも配膳した後だったのでしょう。残念ながらコーヒーはだいぶさめていました。
 あまり時間がないので、グイッと飲みほして慌ただしく身支度を整えました。放送がないので、今どこを走っているのか?時刻通りなのか?さっぱり判りません。車掌さんが起こしに来たのだからフィレンツェは間もなくなのでしょう・・・っておいおい、もう構内に入ってんじゃん!!

 パスポートはしっかり受け取りました。忘れ物無し!(かな?)。7:11、フィレンツェSMN駅に定着しました。
 同志・・・「あっ、部屋着のパンツ(肌着じゃないよ)忘れたぁ!!」
 なんか40歳間近にしてお互い脳の「老」が芽生え始めたみたいです。

 気を取り直して、今回唯一の観光である「ピサの斜塔」を見るため、ピサ方面行き列車に乗りました。ICといわれる特急に乗る予定でしかもそれに乗車したはずなのですが、どうも車内の様子が違います。硬い向かい合わせの座席、目の前にはアフリカ系、通路の向こうはインド系、そしていかにも地元の通勤客・・・。時刻表を見直したら、1本前のピサ方面行き普通列車に乗っていることに気がつきました。
 この列車自体はIC特急より3分だけ早くピサに着くのですが、1等のレールパスホルダーです。もったいないので30分ほど走った途中のエンポリで下車、続いてやってきたピサ経由トリノ行きICに乗り換えました。8:59ピサ着。

 欧州もイタリアまでおりてくると、まだ暖かいです。景色も北欧のそれとは明らかに違い、南国ムードの家並みが続いています。ピサ駅から斜塔まで歩くとなると20分ほどかかるらしいのですが、普通列車でひと駅行った「ピサ・サンロッソーレ駅」で下車すると、徒歩5分と「地球〜フィレンツェ・トスカーナ」に書いてあったのでそうしました。次の普通列車は9:45発です。待ち時間はこの後ミラノまで行く2本のICの予約するための時間に当てました。

 同志が「オレがやる」ってんで、電子辞書で調べた言葉を紙に書いて渡しました。私がうっかり11/9が正当の日付を11/8と書いてしまったらしく、窓口氏に「ハァ?」って顔されてしまったようです。ゴメンチャイ・・・。誤りにはすぐに気付き無事に発券されました。

 ピサ・サンロッソーレ駅からは確かに約5分ほどで、ついに着きました。絵ハガキとか雑誌、教科書なんかでしか見たことのなかったあの光景が今、目の前にあります。ツアーでなく、自力でたどり着いたって事にこの年になっても言い得ぬ感動があります。本当にナナメっていました。
 ウィークデーのこんな時間ですが観光客が結構おります。しかもいろいろな人種の顔があります。やはり世界的に有名なのでしょう。
 お約束のポーズで記念撮影としました。土産屋もいっぱい並んでおり、斜塔グッズがこれでもかって売られていましたが1ユーロも落としませんでした・・・。土産くらい買えって怒られそうですね。観光客に混じって久しぶりの日本語を耳にしました。

 斜塔を後にして、帰りはピサの街をそぞろ歩きながら約20分、ピサ駅まで歩きました。以前にサッカーの中田英がプレオ(でしたっけ?)という車のCMに出ていましたが(覚えてます?)、そこに流れていた映像のような街並みでした。

 ピサ駅の構内でピザをテイクアウトして11:00ピサ発。車内でビールを購入、昼食としました。決してシャレてみようと思ったわけではなく、たまたま2人ともピザが食べたかったんです。マルゲリータ、おいしゅうございました。
 車窓は地中海です。沿線の植わっている木がトロピカル系になってます。山肌が一気に海岸に落ち込んでいるところを走行しているため、トンネルとトンネルの間に小さな街と駅が点在する、そんな路線です。例え方が違うかもしれませんが、日本海側の親不知海岸あたりの景色って感じです。

 これだけトンネルが多いのに客室灯は昼間なせいか、元が切られているため客室のスイッチを扱っても部屋の明かりが点きません。トンネル灯も無いんで、入ると一瞬にして真っ暗です。普段からこうなのかなぁ?イタリアというお国柄、貴重品にその都度触って用心しました。15分遅れてジェノヴァ着。

 乗り換えたミラノまでのICはフランスのニース発、行き先はスイスのバーゼルです。3カ国をまたぐ国際列車ですね。乗りこんだ1等車はスイス国鉄の車両で天井の高いパノラマ車両でした。リクライニングの利く向かい合わせの4人席で、我々のほかに上品そうな御婦人、周りには雑誌で見るようなドキッとするモデルさんのような女性の方がおりました。ミラノまであと1時間ほどです。

 遅れそのままで15:05、ミラノ中央駅に到着しました。この駅も24番線まであります。私が幼い頃、親が買ってくれた百科事典の世界の駅で写ってた駅が確かミラノのはず・・・。ドーム型の駅でここにあの丸い顔した列車がいれば・・・。30年以上前のかすかな記憶が鮮烈に蘇りました。

 ミラノからはルフトハンザでフランクフルトを経由し、ANA210便で成田へと帰国となりました。成田で問い合わせましたが、残念ながら「地球〜北欧」は見つかりませんで、現物の弁償となりました。トホホ・・・。
 気を取り直し、いつものもやしラーメン。オスロのあの味の後でしょうか・・・。いつも以上に美味しく感じました・・・。


本日の買い物・・・ピサ駅の列車予約(2人の2列車分で12ユーロ)、ピサ駅でピザ(2人分で2.8ユーロ)、EC車内でビール(2本で4ユーロ)、ミラノ地下鉄(2人で3ユーロ)、マルペンサEXP(2人で22ユーロ)、ミラノ北駅でグラスビール(2人で5ユーロ)



エピローグ〜パパは大変

 ミラノ着のあと、家庭をかえりみず(?)ママと2人の子供を残して私に付き合っている同志はさすがにバツが悪いのでしょう・・・。私も付き添い、地下鉄を乗り継ぎ、サンバビラ駅そばの「ルイ・ヴィトン」へ行きました。同志のヨメさん希望のバッグを大事そうに購入していました。微笑ましいッス。私?ウチの奥さんがこれを読んでいるかもしれないんで聞かないでおくんなまし・・・。

 ご拝読ありがとうございました。相変わらずのチン道中ですが、あきれる事なく次回もご期待下さいまし・・・。


旅の費用(現地払い以外、1人あたりの値段です。)
  1.ANA航空券 122,530円(エコ割21)
  2.ユーレールパスセーバー 58,300円
  3.プレミアトレイン、寝台車、他予約手数料 50,200円


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